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校長室より 第101号

読書週間にあたり、図書館にある本を一冊お薦めする。
それは、『タコの知性 その感覚と思考』(池田譲著、朝日新書)。

タコといえば、すぐにタコ焼きやユーモラスな漫画のキャラクターなどを連想する。そのタコと知性の結びつきが意外であり、この本を手に取ってみた。

この本によると、タコは世界の海で約250種もいて、そのうち2割強の種類は日本周辺の海に生息している。タコは私たち日本人には身近な海洋生物である。

では、タコにはどんな知性や賢さがあるのか?いくつか紹介しよう。
観察学習能力。タコの眼球はヒトの眼球に似た構造があり視力に優れている。例えばマダコに赤玉と白玉を同時に見せて、赤玉を攻撃すると報酬を与え白玉なら罰を与えるという訓練を繰り返すと、そのマダコはやがて赤玉と白玉を同時に見せると赤玉を攻撃するようになるという。好奇心が強く周りを観察して理解する能力がある。

触覚記憶能力。タコの腕は吸着器官であるとともに触覚器官でもある。タコは腕にいろいろな物を触れて多くの情報を得ているらしい。物を見て記憶する力に加えて、この物に触って記憶する力でタコは複雑な行動が出来るようになっている。タコの腕は高感度のセンサー。タコは腕を使って考える生物でもある。

鏡像自己認知。これは鏡に映った自分の像を見てその像が自分と同じであると理解する能力をいう。ヒト以外にこの能力を示す動物は限られているようだが、タコにもこの認知力を示す種類がいるとのこと。脊椎動物ではない、より下等な頭足類のタコにも自己認知の能力があるとは驚きである。

この本では他にも、タコの性格や母性、社会性などについて述べていて面白い。タコのカラー写真も楽しめます。興味を持った人は一読あれ。

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